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表具職人になる方法は何種類かあります。しかし、修行の方法によってはその後の独立のタイミングや開業後の動きが大きく異なることにご注意ください。ご自身にとって最良のルートで表具職人になるために、入口を誤って欲しくないと、この業界についての解説ページをご準備しました。この業界についての疑問や質問などにも直接お電話にてご案内しています。お気軽にお電話ください。
表具職人として独立を考えたことがある方ならば誰でも、表具職人が生涯食べていける仕事かどうかに興味があるでしょう。大々的に広告されている「表具職人になって月〇〇万円の売上が!」という謳い文句を信じても良いか疑っている人も多いかと思います。結論から書きますと、実際広告で他社が書いていることの殆どは本当です。三十代以上が脱サラをして未経験から始められるビジネスとして表具職人はピッタリな職業と言えるでしょう。では、 殆どに含まれない部分を見ていきましょう。
独立・開業を推し進める表具職人育成の場でしばしば謳われる下請けは儲からないという言説は誤りです。まず、表具業界における下請けとは、建設会社やハウスメーカー経由で仕事を請けることを指します。この下請け仕事は安定して仕事を受けられるというメリットがある一方で、全体の工程から割り出されたタイムスケジュールと限られた資材で仕事を仕上げる技術力が必要とされます。そのため、多くの表具職人講習では講習時間内に下請けが受けられるほどの技術指導は難しいと言わざるを得ません。そのため、独立・開業時に下請けを積極的に受けることは推奨されず、キツイという印象だけが残るのです。
一方で、少し将来の話をします。これからは建設業界全体が職人不足になります。襖を一から制作できる、障子の枠の補修がサッとできるような技術力のある職人が減るため、単価も上がることが予見されます。また、下請けの仕事は自ら営業する必要がないため、 広告費がかかりません。当店では相談に応じてバランスの良い下請けの関係性などもお教えすることが可能です。
これは「襖・障子」のみを扱う表具店であれば誤りです。というのも、「襖や障子、網戸」は季節や温度、天候に左右されやすいものだからです。肌寒くなり、襖を開け閉めすることが多くなるタイミングや、年末年始の来客のタイミングは襖の繁忙期です。一方で、夏が近くなり窓を開けるようになったタイミングは網戸の繁忙期になります。このように私たちの仕事はお客様の暮らしと共にあるのです。襖・障子・網戸のみを扱うのであれば一月から三月は 必然的に収入が落ち込むことが予見されます。収入を真の意味で安定させたいのであれば、季節に影響されにくいクロス工事を行うことで年間を通じて収入も安定させることが可能です。当店ではクロス講習も承っておりますので、ご相談ください。和室住宅の現象、和洋折衷住宅の増加により、クロス工事と襖・障子・網戸を合わせた需要は九十九%といっても過言ではないでしょう。
表具職人になる方法は大きく分けて3種類です。
ご自身で学びたい表具職人を探し、弟子入りする方法は、事前にこの業界の伝手のある方には良い方法かもしれません。お店によってはお給料をもらいながら仕事を覚えていけることもあるでしょう。しかし、誰でも長年磨いた技術を簡単には教えたくはないものです。表具についてのプロでも、教え方のプロではないかもしれません。年単位の長い年月をかけて学ぶ必要があるかもしれませんが、若くて資金の少ない方にはおすすめです。
フランチャイズは 広告を目にする機会が多く、手軽に加盟出来るイメージがあります。高い売上を公表している店舗もあり 加盟意識をそそられることでしょう。
しかし、フランチャイズの加盟には加盟者獲得に多額の広告費が必要なため、加盟金など高額な初期費用が必要になります。その上、毎月ロイヤリティーの支払いも求められます。コンビニや外食チェーンなどのネームブランドが有り、同じ商品と品質、サービスを提供出来る形式のフランチャイズもありますが、襖張替は 一軒一軒襖や障子の状態などが異なり同じ品質のサービスを提供することは難しいです。この業界は個人の技術が大きく作用するため、サービスの品質が異なるに関わらず、同じ看板を掲げることには少し疑問を感じてしまいます。
売上に関しても一人で襖、障子、網戸だけの仕事で見積もり 引き取り 施工 配達まで行うのであれば、仕事に慣れて来た段階でも、一ヶ月三十件ぐらいが限度でしょう。月商もだいたい百二十万円前後です。お客様からリフォームの相談を受ける事も有りますが、紹介する程度で素人が高額なリフォームを請け負って出来る事では有りません。
襖張替講習に関しては、法で定められた施工法などが無いため、違法では有りませんが、素人でも本来必要とされる下張りなどの工程を省いて簡単に張れる 施工(水張り)を講習で教えることもあるようです。こちらの水張りは我々の業界では手抜き工法とされ、折角張り替えた襖が長持ちしない上に、湿度の高い日には紙がたるみ見栄えが悪くなってしまいます。
また、実際の現場にて襖を張替る事よりも最も大事となる鋸・鉋などを使っての調整技術講習なども行っていない所が有るようです。この技術は実際に襖をスムーズに開閉するために必要で、襖の張替をしたものの実際には襖が使いづらくなってしまうこともございます。
このようなことを防ぐためには、例え業務内容が襖張替メインでも一本の組子から襖が製作出来る経験豊富な講師から教わることが重要です。開業当初は技術的サポートも必要になります。そのような折に若い講師だと経験も浅く十分にカバーできないこともあるでしょう。
あなたが加盟を検討しているフランチャイズが本当に信頼できるフランチャイズなのかどうかはご自身の目で見極めてください。過剰な売上広告が、加盟者獲得の為のサクラを使っている可能性もございます。
真の職人になれば 一生の仕事です。
当店には、以前フランチャイズに加盟し先に述べた張替方法と未熟な技術でお客様からお金を頂く事に罪悪感を抱いた方が学び直しに来ています。加盟の際はしっかり下調べをご自身で行い、後悔しないでこの表具ビジネスを歩んで頂きたいと思います。
フランチャイズチェーンの加盟店が本部に対して看板や商標などを利用することに 対してロイヤリティ(著作権利用の対価)を支払うことです。表具業界のフランチ ャイズチェーンでも多くはこの契約を結ぶことになっています。この月々の 金額と加盟が終わった後の競業禁止についての文言・契約期間には注意が必要です。 (例:フランチャイズの加盟をやめたが、2年間は同業種で開業することができない等) ※尚、当中野表具ではロイヤリティの契約は行っておりませんのでお好きな屋号で 独立していただくことが可能です。
当店では全国より「表具未経験から確実に独立したい方」を何人も教えてきました。卒業された方は中野表具ではなく、お好きな屋号を使って各地で独立・開業しています。
(※全国にはたくさんの優れた表具店さんがありますが、 経験なしの方を短期間で真の職人に育て、販売促進まで指導してくれるところは少ないと思います)
どこのお店でも、長年かけて培った技術を簡単には教えたくないものです。しかし、当店はこの襖業界の職人不足への懸念や、表具職人を志したものの入口を誤って苦労されている方へ手助けしたいという気持ちから、二○一五年より本格的にこの講習を始めました。
講習も少人数制で半月から一ヶ月コースがあります。他のページで紹介していますが、他社の短期間の講習とは全く違う実際の現場に生きる講習をさせていただいております。中野表具のある下関で実際に建具やチラシに触っていただきながら表具職人としてどう営業していくべきかを肌で感じて覚えていただけるでしょう。
サポート体制も万全で、創業七十年を超える中野表具のノウハウでご相談をお受けいたします。私自身も四十年以上さまざまな状態の表具と向き合っており、独立後に必ず直面する建具の悩みへの力になれるでしょう。
当店では無理やりな勧誘やしつこい営業はいたしません。なぜなら、自分の意志で本当に職人を目指す方にこの講習を受けていただきたいからです。
他社との比較でも構いませんので、
一度、表具職人を目指すと決めた方、興味を持っている方は当店に相談されてみませんか?
日本の伝統技術者である表具職人を目指すあなたをお待ちしております。